家や土地を売却する時に知っておきたい境界・越境・瑕疵担保の注意点

不動産は、マンションや一戸建てや土地、他にはビルや農地など色々な種類があります。その中で一戸建てや土地を売却する際には、マンションやビルなどを売却する時とは違う注意点があります。

土地は境界に気を付けなければいけない

まず、土地についての注意点です。土地を売却する時に一番気を付けなければいけない点は「境界」になります。

境界杭の確認

土地を売る前には、自分の土地の境界杭を確認しましょう。境界杭とは、隣地や隣接している道路との境界を明確にする杭の事です。

一般的には石や金属で作られていて、土地に埋め込まれている事が多いです。この境界杭で自分の敷地の境界を定めているのです。

つまり、境界杭がないと言う事は、いくら登記されていたり、実測図が存在したりしても物的に証拠がないため造り直す必要があるのです。

境界杭は上述の通り、石や金属で造られているので余程の事がなければ破損したり紛失したりはしません。

しかし、工事中に何かの拍子で重機が当たってしまった場合などに破損することもあります。そのため、まずは境界杭がしっかりあり、破損していないかを確認しましょう。

登記簿面積と実測面積

次に登記簿面積と実測面積を確認しましょう。もし、今売ろうと知っている土地付き一戸建てをご自身で建てたなら、登記簿面積と実測面積は恐らく一致しています。

しかし、先祖代々の土地で親御さんから相続で受け継いだ土地などは、古いデータである可能性があるので注意が必要です。

そもそも登記簿面積とは、いわゆる謄本や登記記録情報などとも呼ばれる、公的に証明された面積になります。一方、実測図とは、土地家屋調査士が実際に測量をして計算をした面積になります。

しかし、登記されたのが数十年前などの「昔」であれば、測量が正確にされていない可能性があります。

そのため、登記簿面積と最新の測量で計測した実測面積が異なる可能性もあるのです。

ただ、土地の売買は実測した面積がベースになりますので、もし登記簿面積と実測面積に相違があれば、売主か買主のどちらかが被害を受ける事になります。

例えば、登記簿面積が100坪あったので、100坪として土地を売り出していたとします。

しかし、いざ実測してみると実際は110坪あった場合には、本来もっと高く売ることができたはずです。

また、逆のパターンである「登記簿面積より実測面積の方が小さい」パターンであれば、売買契約直前に「土地面積が広告に載っていた面積と違う」というトラブルになります。

実測図を見ずに売買契約を締結することはほぼないと思いますが、もし契約後に登記簿面積より実測面積の方が小さい事が発覚したら大きな問題になります。

そのため、土地を売却する前に、実測図が古ければ新たに測量を行うべきです。

越境の覚書

境界に関しては、越境している際も対処しなければいけません。

例えば、隣地との境に塀があり(所有者は隣人)、その塀が越境していたとします。その場合には以下のような内容の覚書を塀の所有者である隣人と結ばなければいけません。

  • 塀が破損した時には塀の所有者が責任をもって修繕を行う
  • 塀があまりに劣化している時などは、〇〇(自分のこと)は所有者(塀を所有している隣人のこと)に対して補修を依頼する事ができる

このような覚書を結んでおかないと、買主が引渡後に被害を受ける可能性があります。

例えば、「塀が破損しているが修繕してくれない」。「塀の補修費を『あなたの土地でもあるから』という理由で一部費用負担を求められた」などの時です。

瑕疵担保責任について

売主には瑕疵担保責任がある事を忘れてはいけません。

瑕疵担保責任とは、「売主が知らなかった(善意無過失)の瑕疵(欠陥)について、買主に物件の引渡した後も売主は責任を負う」という事です。

例えば、「物件引渡後に雨漏りがした場合などに補修費を支払う」のような事です。

民法上は買主が瑕疵を「知ってから」1年間は売主に瑕疵担保責任を追及できます。

ただし、この民法の規定に沿ってしまうと売主の負担が大きい(瑕疵担保責任の期間が長い)ため、契約書上特約を付けることがほとんどです。

例えば、「瑕疵を知ってから一年間」ではなく、「引渡から1年間瑕疵担保責任を負う」などのように期間を短くするパターンが多いです。

しかし、期間を短くしてはいますが、瑕疵担保責任が発生しているという点は認識しておきましょう。

また、善意無過失ではなく瑕疵があることを知っていながらも引渡をしていた場合には、瑕疵担保責任の期間終了後も責任を負う場合があります。そのため、何か瑕疵がある場合には必ず仲介不動産会社に伝えておきましょう。

この瑕疵については、マンションに比べて一戸建ての方が発生確率は高くなります。理由は、土地と建物という不動産種類が2つあるという点と、建物が木造のため鉄筋コンクリート造のマンションより劣化しやすいからです。

まとめ

家を売る時には、境界と瑕疵担保には特に注意しておきましょう。この2点の確認を怠ると契約直前に契約見送りになったり、引渡後にトラブルになったりするリスクが高くなります。

これらは不動産会社が主導してリスクヘッジをしてくれますが、自分自身でもリスクがある点は把握しておきましょう。