築年数が古い家は解体して更地にした方がスムーズに売れるのか

家の築年数と査定価格の関係」の記事で査定価格についてふれていますが、築年数が古い家は購入者希望者が少なくなるので、解体し更地にして売却した方がスムーズに売れる場合もあります。

しかし、解体して更地にすると解体費用も掛かる上にランニングコストが上がってしまうというデメリットもあるのです。そのようなデメリットを踏まえた上で、更地にするべきかそのまま売るかの判断をしましょう。

家を更地にして売った方が良い場合

まず、家を更地にして売るべきかどうかは築年数と建物の状況によります。

不動産会社が土地付き建物を査定する場合には、築年数20年~25年を過ぎると建物の査定金額は0円になります。それだけ、木造住宅である一戸建ての建物部分のニーズは、築年数20年を過ぎると極端に減ってくるという事です。

そのため、築年数20年を過ぎた建物、または築20年に近い年数が経過している建物に関しては、更地前提での売却も考えておきましょう。

また、例えば築年数12~13年程度だとしても、建物の状況によっては更地での売却を考えた方が良いです。

築年数12~13年程度であれば、古い建物とは言いませんが使い方によっては購入者も懸念を示します。

特に、水周り関係やフローリングなどの目に見える部分の劣化が激しいと、それだけで配管関係などの目に見えない部分の劣化も心配されてしまいます。そのため、築年数が20年未満の建物であっても、不動産会社の見立て上劣化が激しいと判断されれば更地で売った方が良い場合もあります。

家の状況次第では解体しないでリフォームしたほうが良い場合もある

仮に、大規模なリフォームやリノベーションを行っていた場合や、大手ハウスメーカーなどで、造り方が通常とは(良い意味で)異なる場合には、更地にする必要が無い時もあります。

特に、購入者が気にするポイントは、上述した通り「フローロング」や「水周り」などです。

例えば、3年前にフローリングを全面張り替えていた場合や、水周りを入れ替えていた場合には、築20年程度でもそのまま売却できる場合もあります。

また、外壁の塗装やクロスの張替え、配管関係の全面入れ替えなど、全てフルリノベーションしていた場合にも築年数とはあまり関係なく評価が高くなる傾向にあります。

家を解体し更地にして売るデメリット

更地にしたほうが高く売れるからといってメリットばかりではありません。デメリットも

1.解体費用がかかる

更地にして売却するデメリットは解体費用と固定資産税の増額です。当然ながら木造一戸建ての建物部分を解体するには解体費用が掛かってきます。

解体費用の金額は会社によって異なりますが、目安としては1坪当たり3.5万円程度です。

例えば、4LDKの3階建ての家ですと、大体延べ床面積100㎡程度(30.25坪)になります。このような家の解体費用は約105万円程度の費用が掛かるのです。

この解体費用を加味した上で、更地にするかを判断しなければいけません。

2.固定資産税・都市計画税が上がる

更地にする事で固定資産税・都市計画税(以下固都税)も上がります。なぜなら、基本的にはその土地を更地ではなく「活用」して欲しいというのが政府の思惑だからです。

土地を更地(空き地)状態にするよりは、家を建てて売買して住む人がいたり、商業施設を建てたりした方が、経済効果があるというのが理由です。

そのため、その土地に建物があるかどうかで固都税の税額は変わってきます。具体的に変わるポイントは「課税標準額」です。つまり、課税される価額自体が変わってくるのです。

例えば、面積180㎡で固都税額が120万円の土地があったとします。ここに住宅が建っていた場合の固都税価額は1/6に減されるので、20万円(120万円の1/6)まで下がります。この20万円に対して固定資産税の税率1.4%が掛けられます。

また、都市計画税も1/3になるので、40万円(120万円の1/3)に都市計画税率0.3%が掛けられます。

つまり、固定資産税は2,800円、都市計画税は1,200円となり、固都税は合計で4,000円という計算になります。

一方、更地だと上記の軽減(固定資産税価額1/6、都市計画税価額1/3)がなくなります。そのため、固定資産税は120万円の価額になり、その価額に今度は「非住宅地」としての固都税率が掛かってきます。

そうなると、計算式は120万円×0.7×1.7%で14,200円が更地の時の固都税額になります。つまり、建物がある時よりも固都税額は約3.6倍まで上がってしまうのです。

そのため、更地にして売れなかった時には自分に負担が掛かってきますし、売れた時にも購入者へ負担が掛かってきます。

解体を考えた場合

取り壊しにいくらかかるのだろう?と考えてインターネット上で検索するのも一つの手ですが、実はこの手には大きな落とし穴があります。

家の大きさや建材量(出るゴミの量)によって費用が大きく変わってくるのです。また、例えば親族に大型トラックの運転手がいて、お願いしてゴミだけを処理場に運んでもらうとしても、取り壊し自体にはお金がかかりますし、ゴミ処理場に払う手数料も必要です。

それぞれの家の大きさや業者のやり方、ごみ処理の量が大きく関わることから、一概には言えないのが現状です。

お隣のお宅の取り壊しは100万円でできたって!じゃあうちもそのくらいよね!?と思ったら、何と1.5倍かかりましたということだってあるわけです。

取り壊しの場合はあらかじめ届け出て許可をもらう必要がありますし、一般人が適当に壁をべりべり剥がして壊すということは、本人も、そして周辺住人にも危険です。

必ず専門の業者に依頼し、危険がないように、素早く作業が終わるようにする必要があります。その上でも業者を検討し、それぞれの業者に見積もりを依頼して見比べることになるでしょう。

解体費用の相場は建材や施設によって費用は変わる

地域によって取り壊し費用は異なり、坪あたりの価格で提示している業者が多いです。

坪あたり2万円から6万円くらいが相場で、家の素材が鉄筋か木材かによっても価格が変わってきます。また、地方によっても価格は万円単位で変化します。

解体の目安(構造別の坪単価)

  • 木造:2万円~3万円
  • 鉄骨造:3万円~4万円
  • 鉄筋コンクリート造:4万円~5万円

こんな業者に要注意

異様に安い見積もりを出す業者には注意してください。とりあえず受注し、家の取り壊しだけをしてゴミを放置するという業者もおります。「いえ、家の取り壊ししか請け負っていませんから!」と言われてしまえば、確かにその通りです。

家を取り壊した際に出る廃材は個人で片付けるのは難しいもの。しかも、トラックで処理場に運んでも、処理に際し手数料が万単位で必要になります。安い業者に頼んだらゴミを放置されたという問題に発展しないように、値段だけでなく最後の処分まできちんとやってくれるかの確認も重要です。

土地付き中古一戸建てと解体前提の2パターンで考える

上述した部分を踏まえても更地にするかどうかを判断しかねる場合には、「土地付き中古一戸建て」と建物解体前提の「更地」の2パターンで売り出す事をお勧めします。

つまり、「中古住宅価格+土地の金額」を明記してあるパターンと、「解体費用も加味した上での『更地』金額」の2パターン用意するという事です。

築20年を超える古い一戸建ては、どうしても集客が鈍くなってしまいます。そのため「建物は古いからいらないけど場所は良い」という方も集客するために、この2パターンでの売り出しは効果的です。

また、これは余裕があればでも構いませんが、リフォームやリノべーションした時の見積もりも出しておくと良いです。例えば、「エリアは良いから土地は欲しい。でも建物の劣化が気になるが解体費用が想像よりも高い。」という方に対して効果的です。

その時に、リフォーム費用も見積もりを出しておけば、「フローリング全面張り替えは〇〇万円程です。ちなみにそこに水周りの入れ替えを加えると〇〇万円です。」などと営業する事が出来ます。そうすれば、リフォーム前提での購入も考えられ、更に購入者側の選択肢は広がります。

まずは査定をしてみる事をお勧めしますが、査定をした後もこのように色々な売り方がある点は認識しておきましょう。

空き家にしないための対策

実際に空き家を手にしてからでは遅いことは言うまでもありません。空き家を手にした場合は売却するか取り壊すかという手段を取ることになります。相続関係や家族の状況から空き家かが見込まれる場合は、事前に対策を取ることが大切です。

処分する

土地だけなら売れると見込める場合は、すぐに取り壊して土地だけを売却してしまうのも手です。家も売れるようなら一緒に手放せばその分解体費用が浮くわけですから有り難いことではありますが……。

空き家の処分に困ったら、まずはその家の登記事項証明書を取得してください。抵当権などの権利が付着していないことを確認してください。権利がついている場合は法律の専門家に除去してもらうか、「権利が付いているのですが」という前提で不動産屋に売買の相談をしてみましょう。

信託を活用する

家の買い手がついても、その家の持ち主が重病で意識がない場合は売買ができません。なぜなら意思表示ができないからです。例え息子でも、こういった場合は勝手に家を売ることができません。しかし、家を売れば空き家になることも防げるし、老いて重病の親の入院費も工面できる、こんなことだってあるはずです。しかし家の処分ができない、こんな時はどうすればいいでしょう?

親が元気なうちに信託の契約を結べば、親の財産を息子が変わって処分することができます。親が重病になった場合に代わって息子が管理できるわけです。つまり、息子の判断で親の上を売ることができるんです。こんなことをすると息子が勝手に財産を使いこむんじゃないの?と思われる方もいらっしゃるでしょうが、大丈夫です。信託には厳しい監視も働きます。

親が急に病気になり、意識もはっきりしない。老人ホームや病院にいる。費用はかさみ、家の問題もある。後々こんなことになりそうなら、早めに親子で信託契約を結び、親の家や財産を子供が管理できるようにしておくのも、空き家問題には有効です。

制度を利用する

自治体などが積極的に不要な不動産の譲渡に関し情報提供や、独自のホームページを立ち上げ登録された不動産の譲渡を手助けしていることがあります。また、リバースモーゲージ制度を行っている自治体もあります。

リバースモーゲージとは、老いた両親の家(両親が亡くなれば不要になる家)に行政側で抵当権を設定し、両親に生活補助を行う代わりに亡くなったら担保にしていた家を引き取るという制度です。家を担保にお金を渡すということです。こうした制度は全ての自治体で行っているわけではありませんが、自分の自治体で何か制度があったら利用するのが良いでしょう。

相続放棄する

これは空き家を創り出さないためというより、空き家を引き受けないための対策です。相続の際に家庭裁判所で相続放棄をすれば全ての遺産を相続しないことができますので、空き家を引き受ける必要がありません。

ただし、この方法には一つ欠点があります。それは「空き家入らないけど預金は欲しい」とは言えないこと。全部放棄するか、それとも全部引き受けるか、選択肢は二つに一つです。預金が億単位であるなら空き家一つのために放棄するのもどうだかなあという話です。

空き家を含めてマイナスが多いなら放棄の手続きを取るのが良いでしょう

まとめ

空き家問題は他人事ではありません。遠縁の家をある日いきなり相続してしまうことだってあるわけですから、絶対に私は大丈夫とは言えない問題です。また、自分がマイホームを所持している場合は、子供や孫に相続されるわけですから、自分の子孫が空き家問題で苦労することもありはずです。

家を持つのは夢ではあります。しかし、その家をどうするか?も考えて行かなければならないのではないでしょうか。取り壊しを含めお金はかかりますが、「遠足は家に到着するまでが遠足」ならぬ、「家は建てて壊すまでがマイホーム」という思考を持たなければならないようです。

家を高く売りたいなら不動産一括査定は絶対必須

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