家を売却する時には不動産会社に「査定」をしてもらい、「売値」を決めます。
そして、もし物件が売れなかった時には「家が売れない原因と売るための対処法」にも書いてあるように、原因と対処法を考えますが、最終的にはほとんどの方が値下げをします。

家を売ろうと思った時に一番悩むのが「いくらいで売りに出せば良いのだろう」ということです。

通常は、家の売却を相談した不動産会社に査定金額をだしてもらい、その査定金額で売りにだすというケースが多いのではないでしょうか。

その「売値」の決める時や「値下げ」をするタイミングは不動産会社に任せっきりにしてはいけません。自分でも良く考えるべきです。

査定額と売値は違う

まず、よく勘違いされやすい「査定額」と「売値」の違いから説明しますね。

査定額とは何を基準に決める?

査定額は一言で言うと「恐らく売れるであろう金額」になります。不動産が行う査定額の算出は、主に以下のような流れで行います。

  1. 不動産会社のみ閲覧できるネットワークシステムから直近の成約事例を確認する
  2. 直近の成約事例の中でも駅徒歩分数や築年数など条件が近いものをピックアップ
  3. ①②を踏まえて、まずは机上で査定額を算出(机上査定)
  4. 実際に部屋を見て(訪問査定)、プラス面やマイナス面を確認し、机上査定額を補正

このような流れで査定額を算出します。

ちなみに、机上査定とは、読んで字のごとく机の上の査定額を算出する方法を言い、訪問査定とは実際に不動産を見て机上で算出した査定額を補正することを言います。
詳しくは「机上査定と訪問査定の違い」を見てください。

よほど大きな傷や汚れが無い限りは、机上査定額と訪問査定額が異なる事はなく、査定額は実際に成約した事例を基に算出する、「周辺事例比較法」を利用することが多いです。

成約事例ですので物件によっては、偶然「高く売れた」時もあれば、「安くしか売れなかった時」もあります。

そのため、あくまで査定額は「恐らく売れるであろう金額」であり、「絶対に売れる金額」ではないのです。

売値は「値下げ交渉」前提で設定

つづいて、売値についてです。

売値とは、査定額を基に「実際に広告に掲載する金額」の事です。

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家を売る時に買主は大抵値引き交渉をしてきます。そのため、売値の設定は「売主が売りたいと思っている金額」より高めに設定しといた方が良いです。

つまり、査定額がベースにあり、その査定額やローンの残債を基に「売主が売りたい金額」を決めます。そして、不動産会社と話し合った後に「売値」を設定します。

例えば以下のような流れです。

  1. 不動産会社に算出してもらったところ査定額は3,500万円であった
  2. しかし、残債が3,600万円あったので、売主の希望は最低でも3,600万円以上で売りたい
  3. そのため、値引きされる前提で売り出し価格を3,780万円に設定した

このような流れで売値を設定します。

売値は「周辺売り出し物件」も加味する

基本的には不動産会社は上記で説明したような流れで売値を決めるのですが、もう一つ重要な要素としては「周辺売り出し物件」という要素もあります。

簡単に言えば、実際に競合しそうな周辺物件は、いくらで売り出されているのかを調べるという事です。

例えば、あなたが3,780万円で売値を設定する予定とします。
しかし、周辺で同じような条件(駅距離、広さ、築年数など)の物件が3,480万円で売り出されていたらどうでしょうか。

恐らく、その3,480万円の物件が売れるまでは、3,780万円で売り出してしまうと集客も少なく成約する事も難しいと思います。そのため、このような時は3,480万円の物件が売れるまで広告は控えたり、売値を3,680万円まで下げたりという対策を行います。

売値は自分で決められる!売値の決め方

「売値」を決めるおすすめの方法としては、「査定金額を参考にしながら、自分の希望金額で売りに出す」という方法です。

さっきも言ったように不動産会社の査定金額に絶対的なものはありません。

査定額は「恐らく売れるであろう金額」であり、「絶対に売れる金額」ではないのです。家の持ち主であるあなたが決めた金額で売りにだしても何ら問題はないのです。

特に中古マンションの場合は立地条件などの兼ね合いもあり、相場より高く売れるケースもあるんです。

マンションが相場より高く売れる理由

中古マンションを購入しようと思っている人は「エリア」や「広さ」を重視し
「この駅周辺で徒歩10分以内60平米以上のマンションが売りに出たら検討しよう」
とピンポイントで探している人が多いんです。

これが新築マンションだった場合は、エリアはそこまで重視されずに、他の多くの新築マンションと比較されるので価格はシビアになってしまいます。

値下げはどのタイミングで行う?

売値を決めて売却活動を行っている時に、家が売れなければ値下げをせざるを得ない時もあります。
金額の変更については特に法律上の手続きはなく、単純に売却をお願いしている不動産会社に頼めばいいだけですから簡単に行うことができますが、値下げをするタイミングは大事です。

値下げは3ヶ月というサイクルで考える

値下げをするタイミングは、まず3ヶ月というタイミングで考える事が多いです。

なぜなら、不動産会社と締結する媒介契約(売却を依頼する契約)の期間が3ヶ月であることが多いからです。後は、マンションの平均売却期間が概ね3ヵ月という理由もあります。(但し物件によって大きく異なるので参考程度です)

そのため、まず値下げを行うタイミングは3か月というスパンで考えるのが良いでしょう。3ヶ月経っても以下のような状況であれば値下げを考えるべきです。

  1. 見学者が週1件もいない状況
  2. 見学者はいるが検討者が全く現れない状況

特に①の「見学者が週1件もいない状況」は、周囲から「高すぎる。検討に値しない。」と、最初から検討物件に入っていない可能性があります。

集客がない状況だと広告を打っても意味がないため、不動産会社のモチベーションも下がります。そのため、早急に値下げなどの手を打たないと、ズルズルと販売が延びてしまう可能性があるのです。

また、②の「見学者はいるが検討者が全く現れない状況」も値下げをした方が良いです。物件的な魅力(エリアなど)はあるのに「実際に見てみるとイマイチ」という評価ということなので、こちらも何か手を打たないと改善されません。

そして、一番大きいインパクトは「価格」なので、値下げをするという戦略をとる事が多いのです。

競合物件次第でタイミングは変える

前項の値下げのタイミングですが、ここでも売値の時と同様、周辺の競合物件を加味して考えるべきです。

例えば、以下のような状況の時は値下げをしなくても良いかもしれません。

  1. 周辺に安い物件が多くあったが、それらも成約してきており、もうすぐ無くなる
  2. 新たに同じような条件で金額の高い物件が出てきた

このような状況の時は、相対的にみて自分の物件が安く見える可能性があります。

つまり、値下げをしなくても値下げをした時と同様の効果が得られるという事です。そのため、値下げをしなくても集客数と成約率が改善する可能性があります。

まとめ

家の売値を決める流れと、値下げの考え方についてご理解頂けたと思います。この点を把握しているかどうかで、売値の精度を上げ、値下げの適切なタイミングを取れるかが決まります。

不動産は1,000万円単位の高額な商品なので、簡単に100万円単位で金額がブレてきます。
だからこそ、冒頭で言ったように「売値」と「値下げ」に関しては特に、不動産会社に全て任せきりにするのではなく、自分で判断する事が大切なのです。