不動産会社を通さず個人で家を売るメリットとデメリット

不動産を売却する時には、宅建免許を持った不動産会社に仲介を依頼する事がほとんどです。

しかし、不動産会社を通さずに個人で一軒家やマンションを売買することも可能です。不動産会社を通したくない理由は手数料を取られたくないという気持ちを持っている方が多いでしょう。

下記の記事にも書いて書いてありますが、3,000万円の家を売った場合不動産会社には1,036,800円が仲介手数料として払わなくてはいけません。

では、個人で家を売ることは可能なのでしょうか。

個人間や家族間など個人で家を売ることは法律上問題ありません。

実際にはどのように進めればよいかのか、また、慣れていない個人が不動産を売買する時には気を付けなければいけない点なども含めてご説明します。

不動産会社を通さずの個人売買は制限付き

不動産を個人で売買することは出来ますが、それなりの制限があります。

それは、その不動産取引が宅建業に該当するかという点です。そもそも宅建業の売買とは以下のような行為を言います。

  • 売買や賃貸、交換などの対象物が宅地(土地や建物)である
  • 不特定多数をターゲットにして行う
  • 反復して行う

裏を返せば、宅地を売買する時でも、不特定多数ではなく、一回キリの売買であれば個人でも行う事が出来るという事です。

例えば、相続した実家を親族に明け渡すために「売買」という形式を取った時などです。

この場合は、対象物は宅地ですし、不特定多数ではなく、購入者は決まっています。

また、相続した実家を一度売却するだけですので、反復して行うワケではありません。そのため、宅建業を持った不動産会社ではなく一個人が不動産の取引出来るのです。

個人売買の場合宅建士はどうする?

個人で売買する時に多い質問が、宅建士の役割です。

宅建士とは、一昔前までは「宅地建物取引主任者」と呼ばれていた資格の事です。何故、宅建士の話が出てくるかと言うと、不動産取引において以下のように宅建士にしか出来ない行為があるからです。

  • 重要事項の説明
  • 重要事項説明書の記名押印
  • 37条書面(契約書面)の記名押印

しかし、このような行為はあくまで「宅建業」に当たる行為や契約を結ぶときに義務化されている行為であり、前項でお話した宅建業に該当しない個人の取引の場合は義務ではないという事です。もっと言うと、個人の不動産取引は宅建業ではなく民法が適用されます。

民法上、全ての取引は口頭でも成立してしまうのです。

つまり、極論を言うと、個人での売買は重要事項説明書も売買契約書も作成せずに、買主から「買います」と口頭で言うだけで、一応「契約成立」という事になるのです。

個人で家を売るメリットとデメリット

個人売買のメリット

不動産会社を通さずに個人で不動産取引を行う一番のメリットは

  • 仲介手数料がかからない
これだけです。

仲介手数料は物件価格によって仲介手数料率が変わってきます。

一般的な不動産価格である、「税抜き不動産価格400万円以上の物件」の仲介手数料率については、「物件価格×3%+6万円+消費税」という仲介手数料率になります。

仮に、税抜き3,000万円の物件を仲介してもらった時に支払う仲介手数料は、約103万円になります。

不動産を売買する時には色々な諸費用が掛かってきますが、この仲介手数料が最も高い金額になるので、仲介手数料を支払わなくて済むのは大きなメリットになります。

個人売買のデメリット

個人で不動産取引を行うデメリットは以下の通りです。

  • 買主を自分で探さなければいけない
  • 必要書類を自分で作成しなければいけない
  • トラブルの処理を自分でしなければいけない

一番手間が掛かるのは「買主探し

買主を探す時には、チラシやインターネット掲載、レインズへの掲載をします。

しかし、チラシを作成するにしてもデザインをどうするか、どこで印刷して誰が投函するかなど、問題は山積みです。更に、全ての広告には10万円単位で費用が掛かってきます。

そもそもレインズには宅建免許を持っている不動産会社しか登録出来ないので、宅建免許を持っていない個人が登録することは出来ません。

また、売買契約書や重要事項説明書も自ら作成しなくてはいけません。先ほど言ったように民法上は口頭での契約でも良いとは言っても、実際には税金の処理(譲渡所得税があれば)やトラブル防止のために書類の作成は必須になります。

不動産会社に仲介を依頼していれば不動産会社が作成してくれますが、個人で取引する場合には、これらの書類も自ら作成する必要があります。一応インターネットで調べればフォーマットは出てきますが、本来であれば物件特性に合わせてアレンジしなければいけません。

経験がない個人だと、このアレンジが出来ないので、結局リスクは高くてもフォーマットをそのまま使わざるを得ない事が多いです。

トラブルが合った場合は個人で対応

契約後、または引渡後にトラブルがあった場合にも個人で解決する必要があります。

例えば、入居後に見つかった瑕疵(欠陥)をどうするか。引渡が遅れる場合はどうするかなども、全て売主・買主個人間の話し合いになるので、合意するのは大変です。

不動産は専門的な知識が必要になるので、一般の取引慣習に沿って、第三者の不動産会社を通して取引した方が、リスクも小さく手間もかからないのです。

そのため、もし個人で取引をする場合には通常の不動産取引で行う事はお勧めしません。

強いて言うなら、上述したような、親しい親族への売却など、上記リスク(デメリット)がほとんどない時に、個人での仲介を行う事をお勧めします。

個人で家を売る流れ

個人で家を売ることになった場合の流れは以下のとおりです。

個人で家を売る流れ
  • 物件価格の決定
  • 販売資料の作成(間取り図、物件情報等)
  • 新聞広告やインターネットなどで募集(不動産業者等には依頼できないのであくまで個人で)
  • 買主を探す。(問い合わせの対応や現地案内など)
  • 商談成立
  • 売買契約書の作成(謄本、公課証明他資料の取得)
  • 契約の締結
  • 決済・引渡し

流れだけ見ると難しく無さそうですが、個人で家を売るのは実際には非常に手間が掛かる為、実際には不動産業者へ仲介を依頼する方がほとんどです。

不動産会社を仲介した方が良い理由

広告を含めた買主を見つけることが非常に難しい

親族や知り合いが買いたいということで買主が決まっていればよいですが通常は中々見つかりません。

やはり、個人だと物件情報機関(レインズなど)に広告を掲載できませんし、又不動産ポータルサイトなどへの掲載も費用が掛かるなど有効な広告活動ができないからです。

トラブルが起こった際の対応

不動産取引をするに辺り、物件の資料の作成、案内を始め、契約書の作成といった業務があり、法律的な知識も必要です。

実際に契約書に不備があることが多く、購入後に物件の不具合が見つかった場合の対応などといったトラブルの対応を個人で行うのは非常に大変です。

何度も言いますが、個人で家を売ることは可能です。ただ、不動産取引の経験がない場合は非常に難しいので不動産業者に依頼する方が無難でしょう。